一般社団法人 阪神港はしけ運送協会

艀(はしけ)についてWhat is barge transportation?

実はすごく環境に優しく効率的な艀(はしけ)運送

一般的に陸上輸送と船舶輸送を比較するとCO2排出量は5分の1しかありません。はしけ輸送は2~3隻のはしけを同時に海上輸送できるため船舶の中でも環境負荷が少ない輸送です。CO2排出量の低減が必然となりつつある社会においてはしけ輸送を利用することでCO2排出低減の義務を果たすことに一役買うことができます。

また物流業界全体で陸上ドライバー不足が問題視されてる中、陸上、海上を複合利用するモーダルシフトが注目を集めています。国土交通省は「物流分野の労働力不足に対応するとともに、温室効果ガスの排出量を削減しカーボンニュートラルを推進するため、物流総合効率化法の枠組みの下、トラック輸送から、よりCO2排出量の少ない大量輸送機関である鉄道・船舶輸送への転換(モーダルシフト)等を荷主・物流事業者を中心とする多様・広範な関係者の連携のも とに推進する(グリーン物流の推進)。」と公表しています。

1.CO2排出量は燃料法を計算根拠として算出しています。
2.陸上輸送は燃費2.62(km/l) 、燃料使用量1.3(kl)、単位発熱量37.7(GJ/kl)、排出係数0.0187(tC/GJ)を前提としています。
3.船舶輸送はA重油の使用を前提とし、単位発熱量39.1(GJ/kl)として設定しています。

艀(はしけ)って何?

艀(はしけ)はエンジンがない台船

艀(はしけ)にはエンジン(動力)がありません。そのため自身の意思で動くことはできず、専用のボートに引っ張られて航海します。 曳船形式の場合は、艀とボートは一本のロープで結ばれているだけ…少し不安な思いもありますが、長い歴史の中で この方法が一番効率がいいのだとか。専用ボートは力強く、2-3隻のはしけを同時に曳航することが可能です。 その代わりにスピードはスローです。

艀(はしけ)はエンジンがない台船

艀(はしけ)で解決できること

艀(はしけ)は大量の荷物や大型の荷物を一度に輸送するのが得意です。道路交通法に抵触する大型貨物・重量物も はしけは輸送であれば難なく輸送できます。陸上輸送には橋脚の耐荷重問題があり、許可がなかなかでない・・・ という困りごとも艀(はしけ)であればクリアにできます。またドライバー不足でなかなかトラックが集まらないと とお困りの方も艀(はしけ)であれば解決できます。

艀(はしけ)で解決できること

艀(はしけ)のメリット・デメリット

陸上輸送に比べ、環境に優しい艀(はしけ)にも陸上輸送と比べ弱い部分があります。例えば艀(はしけ)はエンジンがないため、波が高いとき、風が強いとき、潮流が速いときの輸送を苦手とします。 いつも晴れていて穏やかな海だけではないため、余裕を持った事前のスケジュール調整が必要となります。 以下に艀(はしけ)のメリットとデメリットをご紹介します。

艀(はしけ)で解決できること

メリット

  • 大量輸送(例:コンテナ輸送、鋼材、建材)
  • 重量物輸送(例:プラント製品、大型エンジン)
  • 大型貨物輸送(例:電車、産業機械)
  • バラ物(例:小麦、飼料)

デメリット

  • 航海スピードがゆっくり
  • 荒波では輸送ができない
  • 天候や潮流状況に輸送工程が左右される為、急を要する貨物や小ロット貨物には不向き

はしけ(艀)の輸送範囲

はしけ(艀)は、法律で定められた港湾運送事業の一つであり、その成り立ちより政令で定める区間(=指定区間)に輸送範囲が定められています。当一般社団法人阪神港はしけ運送協会は神戸港に所属しており、神戸港内輸送及び指定区間(姫路港、東播磨港、尼崎西宮港、大阪港、和歌山下津港)の往復輸送と定められています。

艀(はしけ)で運ばれる車両 一般社団法人阪神港はしけ運送協会 指定区間